簿記1級を目指す理由は、転職の材料か、税理士試験への道か、まず分けて考えるのが近道です。公式が挙げる効果の一つは、合格すると税理士試験の受験資格が得られることです1。経理で2年以上働いている人は、職歴の要件で税法科目の受験資格に当たる可能性があります2。その場合、受験資格のためだけに1級を取る必要はないかもしれません。自分が当たるかは国税庁の案内で確かめてください。
経理の仕事に就くのが目的で2級を勉強している人は、先に簿記2級の記事を読んでください。1級が条件の求人かどうかも、同じ見方で確かめられます。
2級の次を比べる
| 項目 | 簿記1級 | 税理士の科目 | USCPA | FASS |
|---|---|---|---|---|
| 結果の形 | 合否。70%以上、各科目40%以上3 | 科目ごとの合否。満点の60%4 | セクションごとに75で合格5 | 合否なし。800点満点で5段階6 |
| 受ける単位 | 4科目をまとめて3 | 1科目ずつ可4 | 4セクション7 | 本体100問90分6 |
| 受ける時期 | 統一試験のみ8 | 第76回は8月4日~6日9 | Coreは年間を通じて予約可10 | 上期と下期の期間内6 |
| 費用の例 | 税込8,800円8 | 1科目4,000円から9 | 管轄で異なる10。国外は1セクション$390.00の追加11 | 一般11,000円6 |
| その先 | 税法科目の受験資格1 | 5科目と実務経験で税理士へ12 | 免許は管轄ごと7 | 資格ではなくスキルの測定6 |
転職での評価を示す統計は、4つとも調べた範囲では見つかりません。そのため表で比べられるのは、試験の負担と、その先の道です。判断の例を挙げます。税理士を目指すなら科目から、英語の会計を使う仕事を目指すならUSCPAから、今の力を測りたいならFASSから、という考え方があります。いずれも断定ではなく、目的が先です。各資格の詳しい話は税理士の科目、USCPA、FASSの記事にあります。
試験の形
公式は1級を、極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得するレベルとしています1。
2026年度に1級が残っているのは11月15日だけで、2027年2月28日は2~3級のみです8。11月15日の第174回は申込受付が終了しています1。これから受ける人は、次の年度の日程を公式の案内で確かめてください。1級の公式ページに、学習時間の目安の記載は見当たりません1。働きながら受けるなら、自分の使える時間から逆算します。
合格率の動き
| 回 | 試験日 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 第173回 | 2026年6月14日 | 9,806人 | 2,076人 | 21.2%13 |
| 第171回 | 2025年11月16日 | 10,524人 | 1,604人 | 15.2%13 |
| 第170回 | 2025年6月8日 | 9,610人 | 1,343人 | 14.0%13 |
| 第168回 | 2024年11月17日 | 10,420人 | 1,572人 | 15.1%13 |
| 第167回 | 2024年6月9日 | 9,457人 | 992人 | 10.5%13 |
表は1級を実施した直近の5回です。第172回がないのは、2月の回に1級を実施しないためです13。公式に載る回全体では10.1%から21.2%まで開きがあります13。第173回は高い値でしたが、今後も同じとは言えません。合格率は受験者全体の値で、個人の見込みを示すものではありません。全回は簿記の受験者データにあります。
税理士試験との関係
受験資格が関係するのは税法科目です。簿記論と財務諸表論には、令和5年度の第73回から受験資格の制限がありません2。税法科目は学識、資格、職歴などの要件のいずれか一つで足ります2。職歴の要件の一つが、法人や事業を行う個人の会計に関する事務に2年以上従事することです2。
すでに簿記論や財務諸表論に合格し、税法の受験資格も満たしている人は、受験資格のために1級を取る必要はありません。取るかどうかは、応募先の求人が条件にしているかで判断します。経理の経験がなく、会計の学習を深めたい人には、1級が目標として機能します。
求人で使う場面
ここも統計の裏付けがないので、求人票で確かめます。今の仕事に連結決算や開示がない人が、それらを含む求人を狙う場合に、1級の学習内容が説明の材料になるかもしれません。製造業なら原価計算の仕事があるかを見ます。「2級以上」とだけある求人では、1級を学んだ内容をどう仕事に生かすかを話せるようにします。
経験欄の条件は資格で変わるとは限らないので、職務経歴書には担当した決算の範囲を具体的に書きます。学習中の場合も、どの科目まで進んだかを添えると話が具体的になります。
決める順番
- 目的を1行で書きます。転職なら応募したい職種、税理士なら受験する科目です。
- 転職が目的なら、求人票で1級が条件かを確かめます。地元の求人が少なければ、紹介会社に「1級が条件の求人があるか」を尋ねます。ヒュープロ14、MS-Japan15、ジャスネットキャリア16は経理や会計の分野を扱うと案内しています。
- 税理士試験が目的なら、税理士の科目合格を仕事にどう生かすかへ進みます。
- 受験するなら、公式の案内で次の回を確かめます。申込の期間と方法は商工会議所ごとに違うので、受験地の商工会議所に問い合わせます1。
出典
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国税庁「税理士試験受験資格の概要」 確認日 2026-10-31 ↩ ↩2 ↩3 ↩4
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商工会議所の検定試験「簿記 1級 試験科目・注意事項」 確認日 2026-10-31 ↩ ↩2 ↩3 ↩4
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国税庁「税理士試験の概要」 確認日 2026-10-31 ↩ ↩2
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AICPA & CIMA「Learn more about CPA Exam scoring and pass rates」 確認日 2026-10-31 ↩
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NASBA「What is the Uniform CPA Examination?」 確認日 2026-10-31 ↩ ↩2
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商工会議所の検定試験「2026年度試験日程カレンダー」 確認日 2026-10-31 ↩ ↩2 ↩3 ↩4
-
国税庁「令和8年度(第76回)税理士試験公告」 確認日 2026-10-31 ↩ ↩2
-
NASBA「CPA Exam FAQ」 確認日 2026-10-31 ↩ ↩2
-
NASBA「CPA Exam - International Administration」 確認日 2026-10-31 ↩
-
日本税理士会連合会「税理士の資格取得」 確認日 2026-10-31 ↩
-
ヒュープロ公式サイト 確認日 2026-10-31 ↩
-
MS-Japan公式サイト 確認日 2026-10-31 ↩
-
ジャスネットキャリア公式サイト 確認日 2026-10-31 ↩